Diary&Blog

2011.06. インドネシアのスラヴェシ島とレンベ島に挟まれたレンベ海峡は固有種とレアな生物が多数生息する。ここはクリッター達の宝庫だ。豊富なプランクトンと森を流れる川からの栄養素が16.1kmの海峡に流れ込む。「イソギンチャクと共生するトウアカクマノミ、ミツボシクロスズメダイの幼魚、さらにセジロクマノミまでがいる事の驚異」

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泳ぐワンダーパス。レンベの固有種だ。角が生えているような目が愛らしく面白い。ワンダーパスはミミックオクトパスとよく似ているが別種だ。個体数も少ない。派手な、茶色をしているのが特徴。






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モジャモジャが顔がユーモラスなカエルアンコウの仲間ヘアリーフロッグフィッシュだ。不思議に満ちるレンベの海。

2011.02 . インドネシアの東部にあるラジャアンパットは地球上で最も生物多様性に富むサンゴ礁の海である。そこは太平洋とインド洋が交わる生命の交差点。パッセージはラジャアンパットの代表的なポイントである。ここはサンゴ礁とマングローブの共生する海だ。異なる環境に暮らす生き物達が混じり合う生命の不思議が存在する世界だ。

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ハードコーラルとソフトコーラルが織りなす豊穣な海。イエローリボンスイートリップスとスカシテンジクダイの競演。






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バクダン漁で倒壊したテーブルサンゴ。ダイナマイトを爆発させてサンゴ礁を破壊し、魚を大量に撮る漁法がかつて存在した。サンゴ礁の復活を祈らざるを得ない。

2010.12. 久米島の国内最大級のサンゴ礁を撮影。沖縄本島の西70kmに位置する久米島は様々な変化に富む地形があり、多様性に富むサンゴ礁を有する。ここは「ナンハリ」と呼ばれるポイント。水深30mで幅200mの大群生が1km以上も広がる。この大群生はヤセミドリイシと呼ばれる枝状サンゴだ。

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ヤセミドリイシの大群集に棲むセジロクマノミ。深場に生息するヤセミドリイシは八重山やケラマ、宮古などでも存在する。今後これらのポイントで大規模なサンゴ礁が発見されるであろう。







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ホソカマスの群れとダイバー。ダイバーの大きさと比較するとこの群れの大きさが分かる。太陽光が入りストロボの光が入り、立体感を感じる。このダイバーが群れを追い込み、群れの形を造ってくれた。結果的に彼がモデルになってくれて写真に写り込んだ。

2010.7. 世界自然遺産インドネシア•コモド諸島。フローレンス海とインド洋が交差する海峡にあるコモド諸島は、他の地域から隔離され生態的に独自の進化を遂げた。そこは地球上に残された生態系の宝庫だ。人が踏み入れる事のない原始の島々と海があった。サンゴとサンゴ礁、魚達や海の生き物が織りなす驚愕の原始の海がそこにはあった。

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自然界の造形の美。これはコモド諸島が織りなす色とカタチだ。私は美しさを競い合うコーラル類を見て、ストロボを発光させシャッターを切った。今まで見た事のない光景であった。







DSC_2617 - バージョン 2 - 2010-07-22 15-09-49.jpgリンチャ島に着くなり、コモドドラゴンが桟橋から船に向って来た。一時騒然となった。ガイド達は長い棒で追い払った。昼に活動しないコモドドラゴンに誰かがエサを与えたせいだ。コモドドラゴンは恐竜の生き残りと言われている。その迫力は凄い。

2010.5. 私は石垣島でサンゴの「生」である産卵を撮影した。水深5m。サンゴは真っ暗な海の中で約20分産卵を続けた。新たな生命が生まれる幻想的な一瞬であった。サンゴは「バンドル」と呼ばれる卵と精子が入ったカプセルを放出した。バンドルは海面に上昇しはじけて、他から出た卵や精子と出会い受精する。受精卵から幼生が生まれ、水中を移動し新たな場所に定着する。一つのポリプからサンゴは成長を始める。

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まるで指輪の様なサンゴのカプセルだ。







DSC_1623 - バージョン 2 - 2010-05-25 09-24-11.jpg新たな場所に誕生したサンゴのあかちゃん。三才くらいであろう。

2010.2 . インドネシア レンベ 私は光るサンゴを撮影した。なぜサンゴが光るのか。レンベの海は不思議に充ちている。レンベはフィリピン、インドネシア、パプアニューギニアがあるコーラルトライアングルのほぼ中央に位置し世界で最も多様な生物が棲息するエリアでもある。

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DSC_0487 - バージョン 2.jpg傷ついたサンゴが光るかさぶたを作ると発表されたことがあるがこのサンゴはこれとは異なる。







DSC_0469 - バージョン 2.jpgよく見る、ブラックライトと呼ばれる紫外線ライトを当てて光らせたサンゴの写真ではなく、これらの写真は通常のストロボを使用している。

2010.2 . インドネシア マナド ブナケン島は1,000メートル以上のドロップオフにサンゴや海底生物、さらに大型の回遊魚が舞う生物多様性の豊富な海だ。ブナケン島は国立海洋公園であり、入園料がサンゴ礁保護活動に使用されている。

DSC_3017 (19 / 292) - バージョン 2.jpgブナケン島の驚異のドロップオフ

DSC_3075 (66 / 292).jpg漁で使われた籠が捨てられていた以前は不法投棄があり、さらに、ダイナマイト漁やシアン化漁法が行われていた。入園料はブナケン島のリーフを守ることに貢献している。









DSC_2669 (10 / 317) - バージョン 2 (1).jpg着床具着床具と呼ばれる、サンゴの幼生を定着させるための器機。ここはサンゴ再生に取り組んでいる海域でもある。

2009.8. 日本 石垣島 色が戻ったサンゴ礁。多種多様なサンゴが熱帯雨林に匹敵する生態系を持ち、多くの魚や生き物の生命を育む。サンゴ礁には生命の共生のドラマと生物多様性がある。そのためサンゴ礁は「海のゆりかご」と言われている。サンゴ礁は海全体の0.2%に過ぎないが、海の生き物の25%がサンゴ礁に棲む。海の食物連鎖の源がサンゴ礁だ。サンゴ礁は海の生き物の母なのだ。

DSC_1499 - バージョン 2 - 2009-08-13 15-15-40.jpg 米原の広大なサンゴ礁

DSC_1109 - バージョン 2 - 2009-08-11 13-09-37.jpg50センチ位ある巨大なオニヒトデ石垣島のサンゴ礁は2008年,2009年と続いて、オニヒトデが大発生した。オニヒトデの食害で白化したエリアも見られた。オニヒトデ発生の原因も人為的な海の汚染である。

10サンゴに隠れるトガリエビス 石垣島.jpgサンゴに隠れるトガリエビス2009年、色が戻り、蘇った石垣島のサンゴ礁。そこには、以前と同じ、光に輝く生命のサンゴ礁があった。私はこの豊穣な海を大切にしなければと思う。

2009.1. マーシャル諸島 マジェロ 世界には1400種類以上のサンゴが存在するという。大小様々な色や形や多様な色がある。サンゴは褐虫藻から光合成をした養分を得て美しい色彩を放つ。褐虫藻からのエネルギーの半分はサンゴの粘液になる。粘液は海中に溶け魚たちや多くの生き物の養分となる。

49海底どこまでも続くサンゴ礁 マジェロ - バージョン 2.jpg海底どこまでも続くサンゴ礁

43原因不明の腫瘍 サンゴの癌 マジェロ - バージョン 2 (1).jpgサンゴの腫瘍私は手付かずの自然が残り、サンゴの白化がないという太平洋のマジェロ環礁に行った。確かに広域には白化のない海であった。しかし、原因不明の癌ともいわれるサンゴの腫瘍による白化を見つけた。

36砂地にあるサンゴとカイメンとソラスズメダイ マジェロ - バージョン 2.jpg砂地にあるサンゴとカイメンとソラスズメダイ私はマジェロで今まで見た事のない遠大なサンゴ礁と原色鮮やかなサンゴ達にに遭遇した。

2008.08. 前年の秋に色が戻って復活した石垣島のサンゴ礁。褐虫藻が戻らず消滅したエリアも多いという。今度は20年ぶりのオニヒトデの大発生に襲われた。オニヒトデの発生は自然現象以外に人為的な土壌や海の汚染が原因である。私達はかけがえのない海を守らなければならない。

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オニヒトデは毒の刺を持つ。サンゴの上に乗っかり、胃を口から出し消化液を出しながらサンゴのポリプを食う。

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これがオニヒトデによって食い荒らされたポイントだ。食痕には白い骨格が残る。中には一週間で消滅したポイントもあるという。

2007.8. 日本 石垣島 石垣島のサンゴ礁は日本のサンゴ礁の55%を占め、世界でも有数のサンゴ礁だ。石垣島でサンゴ礁の大規模白化が起った。地球温暖化による海水温度の異常な上昇で褐虫藻が離れサンゴは色を失い白化した。

04あたり一面白くなったサンゴ礁、黒くなり瓦礫化する 石垣島.jpgサンゴ礁大規模白化 

『制作ノートより』

01 2007 伊原間 瓦礫に小さいサンゴが生きる.jpg瓦礫化したサンゴ礁に生きる小さなサンゴ 「2007年8月。石垣島の海に入った瞬間、息を飲んだ。あたり一面のサンゴ礁が真っ白。所々黒くなり、崩れているサンゴもある。私は、見たものを見たままに撮ろうと瞬時に思った。サンゴ礁を取り戻さなくてはならない。私は海の中を這いずり回り、サンゴ礁の白化を撮った。」

『制作ノートより』

「石垣島の2007年の白化は、1998年のエルニーニョによる世界的な大白化と同等かそれ以上のものであり、30%以上のサンゴ群体が白化により死亡したと報道された。」